プロローグ

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「ん……」  オルゴールの高い音で目が覚めた。  おはようタイマーで適度に暖まった部屋。アラームを止め、隣の君を起こさないようにベッドから出る。布団からぴょこんと跳ねた髪が見える。その頭に「ふふ」と小さく笑って寝室を出た。 「うー……さむっ」  リビングの方は冷え切ってる。どんどん朝の冷え込みがキツくなってるなぁ。と思いつつ、エアコンを入れ、トイレへ。顔を洗いうがいしてリビングへ戻ると、キッチンに入ってコーヒーのセット。  寝室でアラームが鳴ってる。その音を聴きながら冷蔵庫を開けて卵二個とチーズを取り出す。  アラームが止まった。ボールに卵を割って箸で混ぜていると、またアラームが鳴り出す。スヌーズ機能で何度も鳴ったり止まったりを繰り返すアラーム。  フライパンが熱くなったのを確認してバターを落とす。ジュワーッとバターのいい香りが広がった。コーヒーメーカーもコポコポと音を立てている。  卵を流し入れチーズをたっぷりとふりかける。オムレツが完成した頃にはコーヒーの香りが広がっていた。  もうそろそろ起きてくるかな?  すっと寝室のドアが開いて目をしょぼしょぼさせたサトミが出てきた。 「ぅはよー」 「はよぉ」
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