奪われた歌姫

2/14
1237人が本棚に入れています
本棚に追加
/1966ページ
「んん……」  美名は、激しい唇への責めに身体の力が全て抜け、足腰が立たなくなってしまった。  綾波が、髪をたくしあげてうなじを露にさせ、唇を這わせて来る。 「ーーあっ……!」    擽ったいのか、こそばゆいのか良くわからない甘い感覚が足首から立ちのぼる。  逃れようにもしっかりと押さえつけられていて動けない。 「……ダメっ……立っていられない」  綾波はふんと鼻で笑う。 「この位でもうヘナヘナしてるのか?……夜は長いぞ」  美名はその言葉にゾクリとするが、いきなり身体を抱えられて悲鳴を上げてしまう。 「ちょっと……やだ!何する……」  綾波は、美名を抱え、とっくに部屋の階に到着していたエレベーターから降りた。
/1966ページ

最初のコメントを投稿しよう!