溺れる歌姫

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「う……ん」  瞼を開け、目に飛び込んで来たのは、少女趣味の極みの様な、メルヘンなレースで飾られたカーテンとシャンデリア。  内装が、すべて白とピンクとブルーでコーディネートされている。  美名の趣味のどストライクだ。  窓のカーテンも勿論レース、フリル。  昨夜は気がつかなかったが、ウサギの可愛い置物があちこちに置かれている。  ソファには、彼女の服がきっちりと畳んで置いてあった。 「畳んだ覚えがないんだけど……」  綾波がしてくれたのだろうか。  昨夜も上着だけは丁寧にハンガーに掛けていたし……  彼が正座して服を畳む様子を想像して笑ってしまうが、大きなテレビにアダルト映画が映し出されていて目が点になる。
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