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男子二十一名、女子十九名という構成上、こういうこともあるものだ。
実質的な外れクジである二十番を引いた僕の隣を悔しそうな顔で歩くのは、二十一番を引いた高山俊也だ。
まさか主催者本人が外れクジを引くとは思っていなかったのか、周囲からは爆笑の渦が巻き起こっていた。
まぁ下心ありで企画した以上、ある意味天罰のようなものだろう。
「ま、ウケてたから別にいいんだけどよ。せっかく女子とイチャイチャできるチャンスだったのに……なあ?」
「あはは。運がなかったよね、僕達」
「ほんと、ほんと。しかもここ、噂のわりに何にも無いんだぜ?昼間準備に来た時も血の付いたままの教室なんて無かったし、理科室には人体模型すら無かったし!つまんねー」
口を尖らせ、愚痴をこぼす高山に適当な相槌を打ちつつ、目線だけで周囲を見渡す。
……いるじゃん。そこら中に。
たった今隣を通り過ぎた職員室には青ざめた顔で机に向かう中年男性。
トイレからモップ片手に出てきたのは清掃員らしきおばさん。
他にも色々と“おかしなモノ”がそこらを歩いていた。
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