桜の鬼

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 そして琴と鬼は舞い散る桜の花びらをいつまでも眺めていた。  やがて月日は流れ、村人はひとり、又ひとりと里に移り住み始め。訪れていた行商人も来なくなり。村には誰も居なくなった。  それでも毎年春を迎えると、かつて村だったこの谷を山桜が華やかに彩るのだ。誰に誇るでもなく、誰の為でもなく、ただ一心に咲き誇る。  ただ、一心に…… 了
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