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 よく話しかけてくる年長の(よし)もそんな一人である。由の家は村では一目置かれていて、所謂長者の様な存在だった。  由も年頃になり、そろそろ嫁でもという歳になったものだから、由は琴を嫁にしたいと言った。  しかし、親は他の村から貰う習わしだからと突っぱねた。何より琴は親兄弟も居らず、家さえも持っていなかったからだ。  時は流れ、由の誘いを断り続ける琴は、由の家に手伝いに行く事になった。由はこの機会を逃がすまい、琴を必ず嫁にすると、心に硬く誓っていた。
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