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「こっちにもきよる……!」
(解った……)
隆義は、さらにため息をついた。
「相手が新島組なら、車やバイクは舎弟の暴走族・頭蛮王(ヘッドバンキング)の兵隊かぁ……。あいつら、婆さんと余程の不細工以外の女なら、誰彼構わず食っちまうぞ」
「女の敵ね……」
周りは菊花の友人たちが固まり、教諭までが話に加わってきている。
「……姉ちゃん、奴らはきっとこっちにも来る。守りを固めるか、逃げた方が良いと思う」
「藪から棒に言わんでよ、逃げるたってどうするんね」
「そうそう。今は本校の子たちがウチの学校来とるし、その為に行事もやっとるけぇ……」
ガタッ!
心が大きな音を立て、目を見開きながら立ち上がった。
[どうすんじゃい……奴ら相手に暴れる準備、こっちは終わったが]
[それなら、これならどう? 僕たちが奴らの行動を阻止するけど、学校の皆さんには守りを固めてもらう。下手に学校の外に出れば、奴らに捕まる危険が高い]
まるで戦国時代の合戦が始まるかのような様相。
もちろん、周りの多くは、話が急すぎて置いてけぼりだ。ほとんどが頭上に?マークが浮かんでいる。
「自衛隊に、話をつけられないですか……」
[今も偵察情報は送信中。こちらからの出動要請と情報で、防衛省と政府の回答を待っている所みたいだ。……恐らく、今頃は先んじて警察が動いてるはず]
[おうおうおう、武器と人数が違いすぎるぞ? あっと言う間に全滅させられるんじゃないか?]
[とにかく、今は一刻を争う。ココ、ジャグリオンは一機そっちに持ってきているよね?]
「うん、今は桜小路学院の海田市校。街を見下ろせる山の上だよー」
[そうか、解った!……山の上から、奴らを狙撃できるかな?]
「やってみる!」
直後、心はスマホを片手に外へと走り始めた。
「たかよし! うちらも!」
「あぁ、ちょい待ってくれ!」
それを見て、きゅーちゃんの一言!そして隆義もすかさず後から続く。
「隆義どこ行くんよ!?」
「姉ちゃん、こっから動かない方がいい!」
周りを置いてけぼりにしたまま二人は寄宿舎から走った。
「ちょっと、どうして君までついて来るの? 今はお姉さんの所に居なよ!」
「あいつらの手の内なら、ちょいと知ってる!」
「今から乱暴な操縦になるから! また吐いちゃうよ?」
「さっきのムーンサルトよりもひどいのか?」
「そりゃもう!」
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