7.海田町市街~学舎防衛~

4/21
前へ
/21ページ
次へ
「こっちにもきよる……!」 (解った……)  隆義は、さらにため息をついた。 「相手が新島組なら、車やバイクは舎弟の暴走族・頭蛮王(ヘッドバンキング)の兵隊かぁ……。あいつら、婆さんと余程の不細工以外の女なら、誰彼構わず食っちまうぞ」 「女の敵ね……」  周りは菊花の友人たちが固まり、教諭までが話に加わってきている。 「……姉ちゃん、奴らはきっとこっちにも来る。守りを固めるか、逃げた方が良いと思う」 「藪から棒に言わんでよ、逃げるたってどうするんね」 「そうそう。今は本校の子たちがウチの学校来とるし、その為に行事もやっとるけぇ……」  ガタッ!  心が大きな音を立て、目を見開きながら立ち上がった。 [どうすんじゃい……奴ら相手に暴れる準備、こっちは終わったが] [それなら、これならどう? 僕たちが奴らの行動を阻止するけど、学校の皆さんには守りを固めてもらう。下手に学校の外に出れば、奴らに捕まる危険が高い]  まるで戦国時代の合戦が始まるかのような様相。  もちろん、周りの多くは、話が急すぎて置いてけぼりだ。ほとんどが頭上に?マークが浮かんでいる。 「自衛隊に、話をつけられないですか……」 [今も偵察情報は送信中。こちらからの出動要請と情報で、防衛省と政府の回答を待っている所みたいだ。……恐らく、今頃は先んじて警察が動いてるはず] [おうおうおう、武器と人数が違いすぎるぞ? あっと言う間に全滅させられるんじゃないか?] [とにかく、今は一刻を争う。ココ、ジャグリオンは一機そっちに持ってきているよね?] 「うん、今は桜小路学院の海田市校。街を見下ろせる山の上だよー」 [そうか、解った!……山の上から、奴らを狙撃できるかな?] 「やってみる!」  直後、心はスマホを片手に外へと走り始めた。 「たかよし! うちらも!」 「あぁ、ちょい待ってくれ!」  それを見て、きゅーちゃんの一言!そして隆義もすかさず後から続く。 「隆義どこ行くんよ!?」 「姉ちゃん、こっから動かない方がいい!」  周りを置いてけぼりにしたまま二人は寄宿舎から走った。 「ちょっと、どうして君までついて来るの? 今はお姉さんの所に居なよ!」 「あいつらの手の内なら、ちょいと知ってる!」 「今から乱暴な操縦になるから! また吐いちゃうよ?」 「さっきのムーンサルトよりもひどいのか?」 「そりゃもう!」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加