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「もしも……もしも、チョコの……お菓子をさ、練習に……っ!練習だよ?練習、だからね?
もしも、あたしがチョコのお菓子を作ったら……ノダ君、食べて、くれる?」
「お……おう……練習、なんだよな?」
「そう、練習。練習だからね?
今年も誰かにあげる予定なんて無いんだけどっ、でも、ほら、今、売り場……とか、あるじゃん?
だから、一回やってみたくて……」
あたしってば、なんで今こんなことを言い出した!?
言っててじぶんでもわけがわからない。
電車が、行っちゃった。
次の電車は、20分後だったはず。
「うん……他のヤロウに食われたくないし……その……『練習の』チョコ、オレが貰うよ……。
ほっ……他のヤロウには、絶対食わせるなよ?」
××××××××
バレンタインなんて、大っ嫌いだ。
こんなおせっかいなイベント、無くなっちゃえばいいんだよ。
一生懸命ネットで検索して、必死で作ったガトーショコラ。
ラッピングセンス、皆無だなぁ……。
受け取ってくれるって。
受け取ってくれるって。
ねぇ、ノダ君。
告白、しても、大丈夫……なんだよね?
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