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ノダ君だって、あたしの事そんなには嫌いじゃないよね?わざわざこの広いホームの、改札から一番遠いベンチに座るあたしのすぐ隣に来て、こんなに近くに座ってくれるんだし……。
……やだ、あたし。
思い上がりもはなはだしい。
ミナみたいに可愛くない。
ユキみたいに美人でもない。
ヒトミみたいに賢くないし、ルナみたいに器用な訳じゃない。
あたし、ホントに、普通……。
この気持ちに、気付かれたくない。
だって嫌われたくない。
……なら、友達のままでいいや。
ノダ君とのおしゃべりは最高に楽しいけど、いつもみたいにすぐ、電車はあたしの降りる駅に着いちゃった。
「じゃあね」
今日も、バイバイ。
ノダ君に彼女が出来たって、ミナに教えて貰ったのはその次の週の話だ。
××××××××
「……よう」
しばらく一人で電車に乗る事が続いた。今まで毎日ノダ君と一緒に帰ってたから、退屈で仕方がなかった。
前みたいに、はにかんだ笑顔のノダ君。ノダ君は成績がダントツって訳じゃないし、運動がすっごいできるって訳じゃないし、めちゃくちゃカッコいいって訳じゃない。でも、ノダ君の近くにいるとそれだけで楽しい。
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