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                     2 2年まえ。 男がいた。 その男がもっていたDVD。 タイトルは、 Behind the green door それをぬすみみしたときの猛烈な動悸。 手をあてたときのクラクラするような感覚。 指をうごかしたときのいままで経験したことのない刺激。 ぬすみみの罪悪感。 「・・いけない。」 週に1回、スポーツジムにかよっていた。 グレーのスウェットシャツに白いヘアバンドをしてストレッチにはげんでいた。 気さくではあるが気はつよい。 メガネが自己主張をしているね、とかげ口をたたかれるはめになる。 その日の帰り、書店によって広告の本、金融の週刊誌を立ち読みすると、 「・・・シャープじゃない。」 と、こころのなかでつぶやいた。                     * トラピズ(空中ブランコ)が5つおりてくる。 「・・・どこかで見たことがある。」 女はすでに6人の女性に全身をくまなく愛撫されている。 彼女たちはだれもが髪をむすんでいる。 その女はうすいガウンを身にまとっているだけである。 下着はない。 でも寒くはない。 それよりも、彼女らの熱いいきづかいが耳元をなでる。 やわらかな舌が耳の穴をはう。 乳頭は硬直する。 ぴくっぴくっと全身で反応する。 小さな真珠のピアスがゆれる。 女は息をとめたままである。 はっとしてひとりの女性の手をはらう。 その瞬間目をあけた。 風呂につかったまま、まわりにはだれもいない。 「・・・どうしたの。」 自問する 「・・・どうしたんだろう。」 目をつむり深呼吸をくりかえす。 しだいにゆっくりと呼吸はかわる。 手の指先をかすかに動かしはじめた。 ため息がかすかにこぼれた。 体毛は濃くはない。 長い陰毛は太く、すきまは白い素肌であった。
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