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手をあてた。
指をうごかした。
息は止めたままだ。
目をつむってたまま、自慰をしていた。
早朝、シャワーをあび髪をかわかしていると、
あの男たちをおもいだす。
その陰茎の角度をその女は明瞭におぼえている。
朝、家を出る支度はできた。
リモートコントロール端末でテレビをつけ、民放へチャンネルをかえた。ゴシップなのだろう。音はちいさい。
「くだらない。」
といって、画面の時刻をみた。
昼はジャスミン茶だけときめている。
メガネ店にたちより鳶色のセルロイドのフレームを物色した。
こんどはこれにしてみよう。
5時半、その女は厚手のヘリンボン柄のコートをきて駅からでてきた。
2分ほどあるき、きゅうり、人参、ヨーグルトドリンクを買い、買いものバグを右手にさげてスーパーマーケットからでてきた。
部屋に入ると居間があかるくなった。
あきらかにその女の表情はあかるかった。
なにかをまちきれないといったふうであった。
風呂にはいろうとする。
いつもより、ずうっと速い時間である。
肌はつやをおび、やわらかい。
すでに吐息は熱い。
髪を無造作にむすんでいた。
手をあてる。
指をうごかす。
hitachiを買う気はまだないらしい。
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