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同性の愛撫はぬけめない。
つぼをこころえた女性だけがしりつくしている。
「・・・こわれてしまう。」
女はおもう。
なにかが切れそうで。
ぬけめなく愛撫はつづく。
いつのまにか、オイルをまんべんなく塗られていた。
尻に異物を感じた。
女はエネマをうける。
それもひとまえで。
つかのま、下腹部の圧迫。
「・・・でてしまう、でてしまう、ああ。」
苦痛だけなのか、よろこびが芽生えたのか。
女は特異な声をあげた。
ほぼ同時に、水と異物がほとばしる。
涙と汗とでぐちょぐちょだ。
女は猛烈なはずかしさをおぼえていた。
まわりの女性たちはみなほほえみをうかべていた。
ていねいにからだを拭くしぐさをする女性たち。
すると2人の女性が水と異物をからだにぬりだした。
大きな声で笑っている。
女のからだは熱く、呼吸はあらい。
べつの女性が女の顔の唾液、涙をペロペロとなめまわしはじめた。
くすぐったさはない。
唾液のにおい。
鼓動が鼓膜をはげしくつたわる。
全身のちからはぬけているのに、どこかがものすごく熱をおびたままである。
女はあのフィルムをおもいだす。
ストーリーでは、つぎはトラピズの男たち。女は冷静である自分にきがついた。
「・・・こわれてしまう。」
そうおもいながら、もっとちかくで見てみたい。
手にしたい。
口にしたい。
においをかぎたい、とおもっていた。
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