30人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
"バレンタインデーの夜はあけておくように"
まるで業務命令のようなメールが来たのは、そのバレンタインデーの一週間ほど前のこと。
エドワード・ランバートンとは、いつの間にか恋人関係になってしまった俺、 酒井 隆之介(サカイリュウノスケ)。
付き合いだして約1年になった。
去年のバレンタインでは、仕事帰りに拉致られた上に、完全にエドワードに堕とされたと自覚させられた。
そして、エドワードのマンションに連れ込まれ、でろでろの、どろどろになって気を失うまで、抱かれ続けた。
バレンタインデーの翌日は普通に仕事だったのに、勝手に休みの連絡までされて、思い切り彼に甘やかされ放題。
その時、俺は本当にこれでいいんだろうか、と一瞬冷静になったことを思い出す。
恋人になったことで気づかされたこと。
エドワードは、見事なほどにイベントを重視する男だった。
誕生日やら、ハロウィン、クリスマス、そういったイベントのたびに、必ず、美味しいところに連れて行ってくれたり、プレゼントを用意してくれたりする。
きっと、女性たちだったら、嬉しくて仕方がないだろう。
しかし、俺はれっきとした男で、むしろ、そういうイベントごとに疎い。だからこそ、元カノに振られたのかもしれない、と、今になって思う。
最初のコメントを投稿しよう!