『堕ちるのはパーティの後で』バレンタインSS

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"バレンタインデーの夜はあけておくように" まるで業務命令のようなメールが来たのは、そのバレンタインデーの一週間ほど前のこと。 エドワード・ランバートンとは、いつの間にか恋人関係になってしまった俺、 酒井 隆之介(サカイリュウノスケ)。 付き合いだして約1年になった。 去年のバレンタインでは、仕事帰りに拉致られた上に、完全にエドワードに堕とされたと自覚させられた。 そして、エドワードのマンションに連れ込まれ、でろでろの、どろどろになって気を失うまで、抱かれ続けた。 バレンタインデーの翌日は普通に仕事だったのに、勝手に休みの連絡までされて、思い切り彼に甘やかされ放題。 その時、俺は本当にこれでいいんだろうか、と一瞬冷静になったことを思い出す。 恋人になったことで気づかされたこと。 エドワードは、見事なほどにイベントを重視する男だった。 誕生日やら、ハロウィン、クリスマス、そういったイベントのたびに、必ず、美味しいところに連れて行ってくれたり、プレゼントを用意してくれたりする。 きっと、女性たちだったら、嬉しくて仕方がないだろう。 しかし、俺はれっきとした男で、むしろ、そういうイベントごとに疎い。だからこそ、元カノに振られたのかもしれない、と、今になって思う。
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