神谷

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秋 外の景色は移り変われども、病室の中の景色は何も変わらない。 木枯らし吹き荒れる、秋にしては少し寒そうな外を窓から眺めながら、僕はベッドの上で検査の結果を待っていた。 正直、検査の結果が出るのがとても怖い。 もしも悪くなっていたりしたら...... そんなことは考えたくもなかった。 考えたくもなかったが、その悪い予想は僕の意思に反して僕の心の大部分に巣くっていた。 そんな僕の心境を察したのか、向かいのベッドでは結花が少し心配そうな顔をして僕のことを見つめている。 僕がその視線に気づいて結花のことを見つめ返すと、彼女は小さく息を吸い込んだ。 「きっと大丈夫だよ。魁斗は薬の副作用とか出てないからさ、たぶん強い体なんだよ。だから病気も治ってるって」 自信がないのか、小声で結花がそう励ましてくれた。 何の根拠もない励ましでも、結花が僕のことを心配して言葉をかけてくれたことが凄く嬉しかった。 結花に励ましてもらった嬉しさが、勇気へと変換されていく気がする。 「そうだね、ありがとう」 僕は自然に出た笑顔で、そうお礼を言った。
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