0人が本棚に入れています
本棚に追加
「犯人はあなただ、ハーニンさん」
探偵が指した先には、筋肉質でゴツく、なおかつ人相の悪い男。人は見た目が9割だというけれど、なるほど見た目だけを見れば犯人で間違いない。
ハーニンは笑う。
「俺が犯人だぁ?証拠はあるのか、ん?」
笑いながら、声色は恐ろしいまでに殺気がこもっている。探偵──タンティは、全く怯むことはなかった。
「まず、あなたに犯行時間、アリバイがないこと」
「その時間ならあのおっさんといたぜ」
ハーニンは庭師のニワージを顎で指す。
タンティは、
「ニワージさんは、あなたとは会っていない。何故ならばその時、彼は自分の妻を殺害し、調理し、食していたのですから」
ニワージをよく見れば、赤い液体を被っているようだ。返り血──
「私が確認しました。妻の死体も、凶器も。次の証拠ですよ、ハーニンさん」
「ぐっ!」
ハーニンが一歩後ずさる。
「あなた、私があのときした質問に、何と答えました?」
最初のコメントを投稿しよう!