チョコレート事件簿

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「犯人はあなただ、ハーニンさん」  探偵が指した先には、筋肉質でゴツく、なおかつ人相の悪い男。人は見た目が9割だというけれど、なるほど見た目だけを見れば犯人で間違いない。  ハーニンは笑う。 「俺が犯人だぁ?証拠はあるのか、ん?」  笑いながら、声色は恐ろしいまでに殺気がこもっている。探偵──タンティは、全く怯むことはなかった。 「まず、あなたに犯行時間、アリバイがないこと」 「その時間ならあのおっさんといたぜ」  ハーニンは庭師のニワージを顎で指す。  タンティは、 「ニワージさんは、あなたとは会っていない。何故ならばその時、彼は自分の妻を殺害し、調理し、食していたのですから」  ニワージをよく見れば、赤い液体を被っているようだ。返り血──  「私が確認しました。妻の死体も、凶器も。次の証拠ですよ、ハーニンさん」 「ぐっ!」  ハーニンが一歩後ずさる。 「あなた、私があのときした質問に、何と答えました?」
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