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「あのとき──?」
「私が、チョコレートを盗んだ犯人を知らないか、と聞いた時ですよ。あなたは、こう言ったんです。
『ローテのチョコレートか?知らねーな』
私は、盗まれたチョコレートのメーカーがローテだとは、誰にも言っていないんですよ!」
まるで稲妻でも落ちたかのような衝撃が周りを包む。ハーニンが膝をついた。そして、ポツポツと話し始める。
「ああ、そうだよ。チョコレートを盗んだのは俺だ。昔から金持ちだった俺の家では、チョコレートなんて低俗な菓子を食べることはできなかったんだ。
だから、盗んだ。食べてみたかったんだ……」
「あなたは確かに豊かで不自由のない生活をしていたようですね……
しかし、心が貧しすぎた……」
こうして、チョコレートを盗んだ犯人は無事捕まり、町に平和が戻ったのだった──
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