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思い出の場所
私は、15年ぶりに実家に帰った。
公園を通ると桜が満開に咲いていて、とても綺麗だった。
「懐かしいなぁ~…あ。まだ、この桜の木があったんだ。」
そう言って、他のと比べたらボロボロになっている桜の木にソッと触れた。
本当に懐しいな。
この桜の木には学生の時、よく…。
※※※
―15年前。
若い私は叫んだ。
「ふざけんな、コラ!このアタシに喧嘩売るなんて百億年早いんだよっ!!」
相手の顔を掴んで、桜の木にブツけた。
木の破片が相手の顔に刺さり、血だらけになっているのを見た私はニヤッと笑った。
「次は、どいつだー?」
「ヒィィィぃぃっ!?」
※※※
―現在。
「…本当に、あの頃は若かったな。」
ボソッと呟き。
苦笑いしつつも、私は逃げるように公園を去った。
―完―
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