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伊織先生から振り袖姿の撮影を終えた日、俺は『ひっぷー!』を連呼していた親父を懲らしめるべく、母さんに全部報告した。
その夜の母さんの怒りようは尋常じゃなく、家がぎったんばったんと悲鳴をあげるような阿鼻叫喚の体罰が親父を襲った。
撮影が始まる前から終わったあとまで、『ひっぷー!』を連呼されていた俺はちょっと溜飲が下がったが、翌日の朝、俺は朝食の味噌汁を吹き出す言葉を母さんから聞かされた。
「瑠璃、弟か妹ができるかもしれないよ……」
そりゃ味噌汁も吹き出すさ……。
あんなに親父の頭を壁にがつがつ叩きつけ、金的を執拗に行い、挙げ句のはてにバックドロップを食らわせていたのに!
だが、俺はその直後、親父から衝撃の言葉を聞かされる。
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