小佐野さんと松戸くん

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「ブラック飲めるんだね」 「本を読む時よく飲むんだ。ほら、苦いと眠くならなくてすむからさ。それに小説と珈琲って、なんだか様になってて格好いいと思わない?」 「うーん、どうかな。わたしには気難しくみえるかな。でも、本が好きなんだろうなっておもう。ねぇ、今朝もおもったんだけど、松戸くんって話すのうまいんだね」 わたしがそう言うと、松戸くんはなんだか照れくさそうにしている。 「いやぁ、その、小佐野さんと話すのは楽しいんだ。ついつい沢山喋っちゃう」 わたしと話すのがたのしいって、なんだか不思議な感じだな。男の子にそんなふうに言われるのははじめてだ。 でも、たしかに松戸くんは普段学校で見かける時よりもイキイキしてる。
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