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考えるほど、あたまの中がグルグルしてくる。すると松戸くんはわたしに尋ねた。
「随分迷っているようだけど、君はどの部分に引っかかってるんだい?」
そう言われると、わたしはどの部分に引っかかっているんだろう。
「ちょっと待って。今までの話をまとめていい?」
「かまわないよ」
「えっと、つまり、この話は、わたしと松戸くんが今日一日だけ一緒に過ごすってことだよね?」
「そうなるね」
「今日が終われば、もとの何でもない関係にもどる」
「その通り」
「でも、それって難しくないかな? だって、学校でそんなふうに過ごしたら、みんなにわたし達が付き合いはじめたんだってカン違いされちゃうよ。それはこまるなぁ」
なるほどね、と彼もうなずいている。
「それなら、こういうのはどうだろう? 学校では普通に過ごす。それで、放課後になってから、ほんの少しだけ僕とお茶をする。どう?」
それならべつにだいじょうぶな気もする。というか、だんだん考えるのが面倒になってきた。
「うーん、それならいいかなぁ」
「よかった!」
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