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松戸くんの方をチラッと見る。彼は友達の男の子達と、楽しそうにおしゃべりしていた。
彼は、他の子からはチョコをもらわなかったんだろうか。お茶しに行くなら、わたしもチョコレートあげた方がいいのかな。でも、わたしなんかにもらって嬉しいのか、それがわからない。
チョンチョンと肩をたたかれて我に帰る。知らないうちに、ぼんやりと物思いにふけっていたようだ。目の前にはミカがいた。
「このあとデートでしょ? 楽しく過ごせるといいね」
「ありがとう。ミカもね」
「もちろん。今からユウヤを迎えに行くんだ」
またね、と言ってミカは教室を出ていった。ミカの彼氏はとなりのクラスにいる。今日はこれからデートに行くらしい。
一応、わたし達のもデートっていうのかな。
そのことは休み時間にミカにも話した。彼女だけは隠し事したりせずにすむ仲だからだ。ミカは自分のことのように喜んでいた。
彼女は友達思いで、とても優しい。スラッとしてスタイルが良く、髪は長めの綺麗なストレート。明るくてハキハキとしゃべるし、自分に自信を持ってる。クラスでも人気だ。
彼女を見ていると、わたしとは正反対だなぁといつも思う。
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