Ignition

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「じゃあ月間スケジュールと、切り替え式でデイリースケジュール、ファッションコーディネートはアイコンで常にどこかに表示されるようにしておいて、そこからクローゼットに飛んで色々遊べるかんじかな? コメントできるところもあったほうがいいね。俺、今からUIデザインやるー」  優月は既に頭の中に構図を思い描いているようだ。察したように、神長がメモとボールペンを渡す。手馴れたもので、二枚、三枚と仕上がっていく。感心したようにそれを眺めていた坂巻は、はたと重要なことを思い出した。 「予算……かなりオーバーするよね。多少なら僕が足してもいいと思ってたんだけど、そういうレベルじゃないような」 「普通に見積もったら桁が変わりますね」淡々と神長が答える。 「友達割引!」優月がボールペンを持っている手を突き上げた。かなり酔っている。 「そうはいかないし……どこ削ろう。いっそのこと、スケジュール管理に絞った方がいいのかな? それなら間違いなく新井さんは喜ぶし、新井さんの予定がわかると総務部は助かるし」頭を悩ませていると、 「金額は心配しなくて大丈夫です。そこは考えてますので」神長がくすっと笑った。
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