アンハッピーバレンタイン

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2人で毒の入ったチョコレートを食べる。 味は普通に美味しかった。 君と一緒に食べる最後の食事。 最後の時。 私は、一緒に死ねることに幸せを感じていた。 それでも、どうしてもしたいことがあるんだ。 ねぇ、最後の一粒さ、私が食べさせてもいい? 半分こして…さ。 食べたいなら食べていいんだよ? ううん、そうじゃないの。 最後は、こうして終わりたいから。 ん?そうか、なら食べさせて? うん。 そして私はチョコレートを口に含み、半分にして彼の口へと移した。 最後のキスは、甘いチョコレートの味だった。
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