第7章 7-4 5つの宝石の意味

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「次に、誠一さんの事件。 屋上から飛び降り自殺をしたように見せかけられました。 アメジストの時のように、実際に絵があるわけではないので悩みましたが、この事件のモチーフになった宝石はクォーツ・キャッツアイ。 和名は『ホークス藍(鷹目石)』。 このホークスは、食物連鎖の頂点に立ついわば王者ですが、その王者は厳しい選択を強いられる時がある。 それは、死を待つか苦しい自分探しの旅に出るか。   道に迷っていた誠一さんが、どの道を選択するか苦しんでいたように。 そして、ホークスは天空の象徴でもある。 だから、天を舞い獲物を捕るときのように急降下する飛び降りだった。 そして、自分自身の道を考えることに疲れ、死を選んだかのように見せかけるために、自殺に装った。」 「完璧だね、夢…。 やっぱり君は、吸収が早い…」 「あなたに褒められても、嬉しくもないわ…」 そう吐き捨てると、私はまた口を開いた。
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