決意

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「えっ!!片桐さん、好きな人いるんだ!」 意外そうな顔をする北山に、怪訝そうな顔を向ける。 年齢=彼氏いない歴の、奥手を絵にかいたような結乃でも、好きな人ぐらいいる。さっきも視線を交わした敏生は、高校生のときからずっと一途に想い続けた人だった。 この会社に入社した時に再会して、結乃は運命だと思ったが、進展したのは、高校時代に同じ出来事を共有していたことを確認しあったことくらいだ。 要するに、今のままでは単なるただの知り合い。敏生から〝友達〟と呼んでもらえるのかどうかも、怪しかった。 敏生への想いを自覚してから、もう八年が経つ。高校生のような、姿が見えただけで幸せ…なんて恋愛からは、いい加減卒業せねば。 行動を起こさなければ、結乃のこの想いは多分一生結乃の心に閉じ込められたまま、はかなく散ってしまう。 ……でも、逆に八年間も想いを温め続けていられる結乃だからこそ、告白という行動に移すことは、そうとうに勇気のいることだった。 だけど、バレンタインだったら……。この国民的行事が、背中を押してくれるような気がした。
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