第1章

2/16
前へ
/16ページ
次へ
古の伝承に曰く。 世に秘宝、珍宝数あれど、この世界の果てには想像を絶する宝が存在するのだという。 それを手にした者は人心を意のままに操り。 莫大な富を我が物とし。 唯一無二の存在として世界の覇権を握ることが出来るのだという。 今世、その在り処を知る者はなく、形や色、大きさなどの表面的な情報はおろか、宝石なのか、武器なのか、はたまた生物なのかも一切が不明。 だがその存在は確実と信じられ、身分性別を問わず、古来より数多の人々の心を夢へ、希望へ、そして野心へと駆り立て続けてきた。 ある者は《見果てぬ夢の結晶》と語り、またある者は《血と戦乱を招く魔性の力》と呼ぶ。 誰も目にした事も、手にした事もない幻の宝。 その名は伝承の中でたった一言ーーー 《チョコレイ》とのみ記されている。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加