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「はぁぁ・・どうすっかなぁ、コレ・・」
大木の根元に腰を下ろし、周囲に誰もいない事を確認した俺は、手にした小さな物体を目線の高さにまで摘み上げた。
木の葉の切れ間から降り注ぐ柔らかな陽光。
それを宝石のようにキラキラと反射させる訳でもなく、親指と人差し指の間で楽に挟まれた固形物は無骨な薄茶色を湛えたままだ。
正直今でも信じられない。
ちょっとした幸運から始まり。
その後血の滲むような努力と労苦を払い。
そして実に3年という年月の果てに手に入れた、そこら辺の道端にでも転がっている石ころのようにしか見えない小物体が・・
伝説に謳われた《チョコレイ》だなんて。
俺の名はエドワード=バレンタイン。
年は28。
絶賛彼女募集中。
職業は夢とロマンを追い求める、冒険家ってヤツだ。
母親由来のくりんくりんの金髪クセ毛と、父親由来の背の低さのおかげで
「エドちゃん」
などと冒険家仲間からはからかわれているが、この大陸で一番の冒険家だと自負している。
そんな俺が、この大陸で一番の領土を有するアストリア王国の王・ガラハドの招きを受けたのは今から丁度3年前の事だった。
覇権を争う5国の内、最も強力な軍事力、領土を有し、《獅子王》の二つ名を冠するかの王からの依頼(命令と言い換えても可)。
それは予想通りというか何というか・・
世の権力者達が血眼になって探し求める幻の秘宝・チョコレイの探索。
及び発見の暁には速やかにアストリア王国へ持ち帰る事だった。
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