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そんな義母に愛情を込めた介護が出来るほど、優子は出来た人間ではない。
一つには、生活費を入れない夫に代わって働かなければいけないという事情もあった。
朝パートの仕事へ行く前にオムツを替え、夕方ウチに帰るまで放置せざるを得ない。
それでもパートの低賃金で何とか食べていけるのは義母が持ち家を持っているおかげなので、必要最低限の介護はしたつもりだ、大きな床ずれができる程の最低レベルだが。
こちらの苦労も知らずに義母は文句ばかりで、地区の在宅介護支援センターの職員は大きな床ずれを見て顔をしかめた。
もっとマメな体位変換やオムツ替えが必要だと言われ、優子は涙混じりにブチ切れる。
「夫がウチにお金を入れないのに、私が働かずにどうするんですかっ! 安いパート収入なんかで、どうやってヘルパーさんを雇えるんですっ!」
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