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 ウンチまみれの汚いババアなんかイイ男の俺が触れるわけ無いわ、と不人情な息子は鼻をつまみながら出て行った。  二度と帰って来るな、と塩を撒かんばかりの気持ちで玄関を閉めて優子が居間に戻ると、奥の義母の居室から吠え呻くような泣き声が聞こえてくる。 ひとかけらの好意も覚えられない義母だけれど、胸が詰まるような思いにかられた。  シングルマザーで必死に育て上げ、溺愛していた息子にウンチまみれの汚いババア呼ばわりされ、鼻を覆って立ち去られた母親――。 彼はもう母親の存命中には戻って来ないだろう、そういう男だから。 溺愛して甘やかしたから、ああもダメな人間にしてしまったのだろうが、たった独りの息子に最後の最後であんな風に去られてしまうのは、さすがに優子も気の毒になった。 そんな最低な男と結婚した彼女も、義母に劣らず気の毒でバカな女に違いないにせよ。
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