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ごめんねと口にする前に柔らかな唇の感触を優子は感じる、おでこと髪の境目にそっと触れるような口づけを。
あの人の息子が今、かつてのあの人と同じ様なキスをしてくれた。
懐かしさと切なさと皮肉めいたこの状況に、たまらない想いで胸がいっぱいになる。
涙があふれてどうにも止まらない、あの人の息子はそんな彼女をただ抱きしめてくれた。
こんな関係を続けてはいけない、心が壊れてしまいそうだ。
でもこの子を傷つけないよう、だんだんとフェイドアウトしていかなくてはならない。
そう決心しつつも常に彼の安否を把握したいと思った・・・・・・遠くで暮らす母のように。
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