鶴山の科学者

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22世紀に入るか入らないかの時期に一つの電報が世界に衝撃を与えた。 「ブラックホールの作成に成功しました」 この言葉が岡山県にある鶴山原子核研究機構を駆けめぐった時、私は大学で講義をしている最中で思わず絶叫してしまった。私の穴という穴から興奮と汗が全身から吹き出していた。  私は鶴山原子核研究機構の所長を務めている佐々木里穂といい、鶴山高専を首席で卒業し欧州の大学大学院で原子核を専攻、勉強してきた。 いわゆるエリートであるが、まさか欧州の研究機構を差し置いて結果を出すことができるとは夢にも思わなかった。
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