創作物感想文

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2017/02/19 エブリスタ内の小説「黒の派遣」を読了しました。辛口の内容になりましたので、直接のレビューでは無くこちらに掲載します。 実際に存在するブラックな仕事に脚色を加えた、リアリティを帯びた内容自体はとても良かったのですが、序盤はオカルト気味かと思うと後半につれてSF的要素が加わったりと纏まりに欠けており、単一の作品を読んだ気がしないのは今ひとつ。かなり厳しく行くと、掴みは良かったのにあっちへこっちへ行ってしまって、えっ?そっち行って終わり?前半何だったの?といった感じです。伏線はもっとはっきりしていても良いんじゃないでしょうか。 ダークな雰囲気に登場人物が引っ張られているせいか、感情表現が物足りない。茜が銃弾の盾になろうとしたシーン、茜は経歴からしても聖者には程遠いですし、肉親や親友ならともかく数度あっただけの男性を命をかけて守ろうとするのはそれなりの理由が必要ではないでしょうか。 また、最後に殺されても代わりは居ると黒野が言い残していますが、複数の影武者が必要な程危険な仕事なのでしたら、社員の偽名を見破れないのはどうかと思います。いくら表向きのルールが有ってもそこは綿密なチェックをするべきではないでしょうか。犯罪歴がばれていた人物も居ました。会社クロノスの計り知れないスケールの割にはツメが甘く、整合性が欲しい所です。 加点方式ではまずまず、減点方式では今一つでした。書籍化に際してほぼ別物になっているそうで、概要を見る限りではそちらは面白そうでした。
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