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そのまま、ぼんやりしたまま魔術師団に戻ったらしい。
「おい、誰だお前……」
「もしかして、あの腕輪」
「団長!?」
「お、お疲れ様です!」
フラフラと執務室に入っていく。
ゴン、と柱にぶつかりながら。
「お、俺、団長の素顔初めて見たッス」
「あんな死んだ目をしてるんですね!団長って激務なんですね……」
「お前らまだ見たことなかったか。俺も久しぶりだな。しかしあの表情は……魔物に憑かれたような」
団員が業務の手を止めてヒソヒソと話している。
「一息入れようか」
セルジオがお茶と菓子を持ってくる。
魔術師は精神を酷使するので休憩を入れるのだ。
団長の執務室にも持っていく。
「団長、入りますよ……うわっ」
執務室入ってすぐのところにしゃがみこんでいる、
団長を蹴ってしまった
「なにやってんですかこんなところで」
「……セルジオか。」
「お茶どうぞ。どうしたんですか」
「何が」
「いや、こっちが聞いてるんです。フラフラ精神攻撃受けたみたいな顔で戻ってきて。侍女に受け取ってもらえなかったんですか?魔術師キモいとか勘違いすんなとか?」
「精神攻撃……たしかに、あれは……参った……なんだあの生き物……反則だ……いや不意討ち……後ろから強力な魅惑の術をかけられたような……はっ!そうか!俺は術をかけられたのか!?」
「知らんがな」
紅茶を入れながらセルジオは故郷の発音でつっこんでしまった。
「要するに団長もやっと色恋に目覚めて、侍女に一目惚れしたんですねハイハイ心配して損した」
「待ってくれセルジオ、お前だけが頼りだ。
むしろ逆に向こうが好意を告げてきたんだが一体どうしたら」
「え、なにそのオモシロ展開。詳しく」
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