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そのあと、顔を覆いながら団長の説明がなされた。
「そのリーゼロッテという仔リスのようなくりくりした目の若い娘がピンクの唇から走ってきたばかりの荒い息で言ったのは」
「そういう描写はいらないんで、そのリーゼがなんて?」
「お前がいきなり愛称で呼ぶな」
「うわあ面倒くさい。そのリーゼロッテ嬢はアンタの顔を見て告白したんですか?いきなり?」
「いや、顔を出してたので俺が団長と気付いてなくて、団長に妻や恋人はいるかと緊張した様子で訊いてきた」
「あー、それは。たまんないですね。そら童貞堕ちるわ。顔を出してない団長に気があるってその子相当マニアですね。だいたい、なんでフード取ってたんですか。」
「そうだな……そういえば、何かがあたって……
」
「まあ、良かったじゃないですか。彼女と縁もありましたし、休憩後は業務に戻ってくださいね」
「ああ」
団長はお茶を飲みながらフードを被った。
パサ
パサ?
執務机の上に落ちたのは
「……!」
「団長、アンタまさか無理やり……」
「待て、誤解だ。そう、彼女が洗濯物を落として、それで見上げてフードを取ってたんだ、まさか入ってたとは」
リーゼが恥ずかしそうに後で探すと言っていたもの。
光沢のある布面積の小さい、ピンク色の下着だった。
残像も残さぬ速さで引き出しにしまわれた。
「セルジオ」
「わかってますよ、誰にも言いません」
「目……焼いていいか?」
「パンツ見ただけで!?ちょ、魔力溜めないでっ!」
副団長が防御呪文を唱えながら執務室から出てきたので、余程団長の逆鱗に触れたんだろう……と周囲は息をのんだ。
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