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「あんた何ですかその無駄にでかい魔力は!」
騎士団員が出ていってからセルジオは団長に詰め寄った。
「……そんなに怒るな。私にもなぜこうなったのか分からないんだから。」
「たまたま警備の途中でリーゼちゃ、リーゼロッテ嬢の名前を聞いたからって攻撃するなんて、下手したら死人が出てますよこのレベル!」
うっかり愛称で呼ぶと視線で殺されかねない。
「別に攻撃するつもりだったわけではないが」
「建物丸ごと壊しといてよく言いますね。みんなで仕事をほっぽりだしてアンタの後始末してるんですから、今夜は残業してくださいね」
「セルジオ、すまなかった。あとで……」
いつも無愛想なカインが頭を下げるので、少し言いすぎたかとセルジオは思い直した。魔力が膨大だからこそ制御にも精神力がいる。それが生まれてからずっとカインが背負ってきたものなのだ。
たまには、ミスがあっても不思議ではない。
人間だもの。
「あとでリーゼを見守りに行きたいのだが」
「よく今それ言えましたね!?」
恋に溺れたカインは、魔力やら色々の制御がゆるくなったらしい。
「もちろん残業はするから」
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