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そして、舞踏会の日を迎えた。
第二王女付きのリーゼは朝から忙しかった。
「ねえ、リーゼ、今日は諸外国のお客様も多いし、魔術師団長も警備でうろうろしてるんじゃない?」
「え?ああ、そうね。」
忙しくても、いや忙しいからこそ普段は会えない方を見てトキメキ補充するのだが。
「あれ?そういえば最近、団長のこと言わなくない?」
カトリーヌさん、鋭い。
「憧れは憧れで充分というか……」
「とか言って新しい男見つけたな?」
「や、やだそんなことナイデスヨ」
「……え、マジか。いくつくらい、どこ所属」
「二十代前半……かな?ローブ着てたので魔術師で。」
「魔術師!いいじゃない!」
「でもまだ挨拶程度で、詳しいことはよく知らないんですけど」
「その頃が一番楽しいんじゃない!」
舞踏会が始まり、侍女たちはしばしの食事休憩をとる。
「今日は厨房の方から夜食を騎士団に届けてくれって頼まれてるの。あとで誰か行ってくれるかしら」
「私行きますよ」
リーゼが手をあげた。
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