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騎士団に入っていくリーゼを尾行していた魔術師は、震えた。こんなことを団長が知ったらどんなに荒れるか。
騎士団に夜食を持っていったまま、彼らに勧められるまま酒を飲んでいる。
まずい。
どんな醜聞となるか。
団長が助けにきた。ほっとしたのもつかの間。
「ええええ、なんでリーゼ嬢に攻撃を?」
「こいつは、悪名高い魔女だ。お前ら生気吸われるぞ。
おい、本物のリーゼをどこへやった」
「おお怖い。
娘の気配がよめないだろ?ちょっと隠しただけさ。そのうち見つかるよ」
煙とともに、カラスに姿を変えた魔女は飛んでいった。
「リーゼ……」
団長はギリギリと奥歯をかんだ。
手当たり次第、探すしかない。
魔力での捜索ができない。
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