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六角軍と思わぬところで遭遇してしまった輝信。
六角側もまさかこんなところに倉田軍がいるとは思ってもおらず慌てるのであった。
幸隆は、冷静に敵が本体に伝えることが出来ないように一網打尽にする事を考えていたのである。
「若、こやつらを全て討たねば策はなりませんぞ。」
「我らの事、敵に知られるわけにはいかぬ。」
と言うと静かにレイピアを六角兵に突き刺した。
静かに力なく崩れる六角兵。
自分が平然と人を殺せた事に苛立ちを感じた輝信。
余りにも素早く殺していたのでそんなことを気にしているなど幸隆は思ってもいなかった。
「若、1人逃げ出しております。」
「誰ぞ、あの者を射よ。」
すると素早く弓を放つものがいた。
「よくやった、お主は何という名じゃ。」
「名なってもん、おらにはございません。」
よく見ると自分と同世代の者であった。
「よし、今日よりお主は我ともにあれ。
お前の名を矢島 隆久と名乗れ。」
「は、ありがとうございます。」
遭遇した六角軍は、殲滅されていた。
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