神の悪戯

戦へ

桑名に戻ると家臣を集めて評定を行うのであった。
「こちらに控えますのが、真田一族の方々にございます。」

「光治、よくやってくれた。
真田の方々、表を挙げるがよい。」

「真田綱吉にございまする。
我が一族終生、龍信様にお仕え申し上げ奉りまする。」

「よろしく頼む。
まずは、亀山の事だが長良を城代と致す。
与力にら盛信と真田一族から誰ぞ出してくれ。」

「は、では矢沢頼綱をば。
某、今日より海野性を名乗る事をお赦しねがえませぬか。」

「好きにするがよい。」

綱吉の横に控えていた1人の男が、顔をあげ発言しようとしていた。
それに気付いた龍信は、発言を許した。
「真田幸隆にございまする。
光治様からお聞きいたしました。
桑名の縄張りについてでございまする。」

「何かあるか？」

「は、河口を拡げ港に致しませぬか？」

「港か…
よし、その案を具体的な物にし儂の元へ届けよ。」

「必ずやご満足いただける物に仕上げまする。」

こうして新たな領地、家臣を得て戦国の世に船出する龍信であった。