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河口に向かい歩を進めると1人の民が声をかけて来た。
「長、なんでも駿府に向うはずの船が津島の沖で座礁して沈んじまったそうで。
河口にその荷が流れついてきてるそうでさぁ。」
「そうか、ついでに様子を見にいくか。」
河口には無数の木材と乗員の死体が打ち上げられていた。
「酷いな…あとで葬ってやらんとな。」
手をあわせる龍信である。
よく見ると元の時代の服装をした女が打ち上げられていた。
龍信は、その女の元へと急いだ。
胸元に耳をあてると心臓が動いていた。
急ぎ人工呼吸を試みた。
女は、水を吐き出したが意識は戻っていなかった。
「なんでございましょうか?
この面妖な衣は?
まるで天女のようにございませんか。」
「天女か。
私邸に運ぶ。忠高手伝ってくれ。」
「は。お任せあれ。」
急ぎ私邸を目指した。
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