初陣

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一方、輝信はその頃観音寺近くまで進んでいた。 「若、こうしておりますと大殿との戦を思い出しますわい。」 「父上との事とは?」 「は、大殿は武だけではなく某の考えを越える策をお考えになる。 そんなお方にございました。」 「そうか、父上を越えるためには、武だけではなく知も必要ということか。」 輝信は、そう考えるようになっていくのである。 鎧がすれる音が聞こえてきていた。 「若、どうやら敵のお出ましかと。」 「皆、武器を持て、ここを切り抜けて観音寺を得るぞ。」 と言うとレイピアを抜き、敵へと向かって行った。
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