初陣

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日野から蒲生家を先鋒に進んでいた龍信。 「殿、若がここまでおやりになられるとは思いませんでした。」 「全くだ、忠勝といい輝信といい末恐ろしい次代の者たちだ。」 「我が子ながらなんとも頼もしいですな。」 観音寺城へと着くと輝信が疲れた顔で出迎えていた。 「輝信、如何した?」 「は、戦とはこれ程酷い物なのですか…」 「ああ、そういうものだ。 民の笑顔が為と己に言い聞かせて耐えておる。」 「殿の言葉聞けて良うございました。」 「大殿、お早く城内へ。」 手招きする幸隆。 フッと笑みを浮かべる龍信。 「幸隆、少し若返ったか?」 「大殿、拙者やはり戦場が似合っておるようにござります。」 「そうだな。」
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