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「そうだったのか…。元より出自が不明なものだからな。整備も大変なんだな……」
友矢の言う通り、ジオライナーもジオトライアも実はラインが造り上げたものではない。
隕石として落下してきた鉱物の塊の中から両機が発掘され、戦力として使用しているに過ぎないのだ。
整備方法も試行錯誤を繰り返してより良いものにしていってはいるが万全ではない。
「あ、でも、少しずつ色んな事が分かるようになってきたんですよ。各部がブロック構造になってて、異常が起きてもその部分だけ取り出して整備出来たりとか。まぁ、その接続部が今問題になってるんですけど……」
どうにも困った様子ではあるが笑顔を見せる陽。
「整備班の皆には改めて感謝しないといけないな……」
友矢もそんな笑顔を受けて前向きになる。
戦う事が自分の仕事なら、その準備をしてくれるのが陽達だ。
ならばそれを信じるのが今の友矢に出来る事なのだ。
「私達も友矢さんに感謝してますよ。戦ってくれる人がいるから、こうしてまだ平和に暮らせてるんですし」
陽も友矢に感謝を述べる。
すると、友矢もふっと笑って、
「じゃあ、同じく戦っているあちらのトイレ掃除当番にも感謝しないとな」
ぴたりと止まったままのジオライナーの方を向いてそう言った。
「あ、お兄ちゃんは別です」
しかし、陽からすれば翔は感謝の対象外であったようだ。
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