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「うるさーーーいっ!」
と、突然格納庫内に響く女性の声。
「だあぁ!そっちの方がうるせーよ!」
その声に反論するのは男の声。
ここは地球防衛機関、ラインの整備格納庫の中。
最初に怒声を上げたのはそこの整備士、神崎陽(カンザキ ヨウ)。
弱冠16歳でありながら、整備士として働く女性だ。
一方、怒られたのは陽の兄、神崎翔(カンザキ ショウ)。
こちらは整備士ではなくパイロットである。
ラインは巨大な怪物、バックスと戦う為に作られた組織であり、巨大な人型ロボット、ジオライナーを保有している。
翔はそのパイロットなのだ。
それで、何故彼が妹に怒られているかと言うと、
「廃材がほしいなんておかしいと思ったら、何やってんの!どれだけ周りに嫌な音が響いてるか分からないの!?」
翔がそのジオライナーに乗って、廃材を折り曲げていたからである。
廃材と言っても大きな金属の板であり、その厚みや大きさはとても廃材とは思えない。
高さおおよそ40mのジオライナーからすれば紙きれのようなものだが。
「いや、俺もブランク長いからさ、リハビリしようと思った訳よ。何せパイロットなんだからライナーに乗りながら出来るリハビリを考えた結果が……」
何やらみっともなく弁明する翔は、実は少し前まで右腕が使えなくなった事から第一線を退いていたのだ。
では、その間にどうやってバックスに対抗していたのか。
それにはもう一機の巨大人型ロボット、ジオトライアと、そのパイロット森小路友矢(モリコウジ トモヤ)を説明せねばならない。
「その折り紙ごっこか…」
どうやらちょうど格納庫に友矢がやって来たようだ。
直前の翔の言葉を聞いていたようで、極めてナチュラルに会話に入ってきた。
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