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それから二日後。
翔のトイレ掃除最終日である。
逆らえない翔はトイレ掃除を全うするしかなかった。
「まさかパイロットからトイレ掃除に転落するとは…」
トイレ掃除の準備をしながら翔は一人呟く。
ちなみに、男性用トイレだけが掃除対象だが、宿舎には複数のトイレがあるのですぐに終わる訳がない。
憂鬱ではないが、面倒臭い。
翔は重い足取りでトイレに向かって行った。
そして、少ししてから館内に警報が響いた。
『バックスの反応を感知しました!ジオトライア出撃の準備をして下さい!』
館内に響き渡るバックス出現の知らせ。
その声を聞いて整備士達が準備の為に動き始める。
そして、ここにもう一人動き始めていた人物がいた。
「俺は!?」
放送の中にジオライナーの要素が全く無かった事に憤慨している翔だった。
トイレにブラシを突っ込んだまま立ち上がる翔はそのまま走り出した。
「この野郎!俺もライナーも戦えるってのによぉ!」
格納庫へとまっしぐら。
着いた頃には出撃準備が着々と進んでいた。
「って、お兄ちゃん!?」
出撃準備中の陽が翔の存在に気付く。
「おう、ちょうど良い!ジオライナー出せるか!?」
渡りに舟と言わんばかりに翔が陽に言い放つ。
幸い、友矢もまだ到着していないようで、ジオトライアもカタパルトには着いていない。
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