豚のケツ

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ある教師が職員室に戻ると、体育教師の怒鳴り声が聞こえた。 男女二人の生徒を並べて説教をしている様だ。 「そんなに怒って、いったい何をやらかしたのですか?」 「コイツが、豚のケツを蹴とばしたんですよ!」 男子生徒を指差し苦々しげに言う体育教師。 「え?校内に豚が居るのですか?」 「豚なんていませんよ」 「ではどうやって蹴ったのです?」 「こうして、こう!」 体育教師は蹴る真似をした。 「いえそうではなく、居ない豚のケツは蹴れませんよね?」 「ここに居ますよ」 「ここに豚が居るのですか?」 「豚なんて居ませんよ」 「どっちなんですか!?」 教師が言い合う中、女子生徒がおずおずと手を上げて行った。 「『豚のケツ』は私のあだ名です」
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