借金のカタ

2/2
前へ
/200ページ
次へ
ある男が莫大な借金を背負い、強引な取り立てに会っていた。 借金取りの前に座らされ、周りをその手下に囲まれている。 「返せないなら、海に沈めて保険金で返して貰うしかないな」 「待ってください。私には何でも言う事を聞く愛人がいるんです」 「それがどうした?」 「ソイツを借金のカタに差し出します。好きにして下さい」 翌日、男は宣言通り愛人を連れて来た。 しかし借金取りは愛人の顔を見るなり 「お前ら、コンクリートを用意しろ」と手下に指示を出す。 「待ってください。あなたは知らないでしょうが……」 男はニヤリと下卑た笑いを浮かべて言った。 「コイツは見た目は不細工ですが、あっちの方は最高なんですよ」 「じゃあ俺も教えてやろう。お前は知らないだろうが……」 借金取りは言った。 「コイツは俺の女房だ」
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加