恩返し

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 おじいさんが道を歩いていると、罠にかかって苦しんでいる鶴を見付けました。 「おやおや、かわいそうに」  おじいさんはそう言って、鶴の脚を挟んでいる罠を開いて逃がしてやりました。  空を飛んだ鶴は嬉しそうに鳴き、おじいさんの頭の上を旋回して去って行きました。  その日の夜、おじいさんが寝ていると、コンコンと戸を叩く者がありました。 「こんな夜中に誰だろう?」  おじいさんが戸を開けると、外には美しい娘が立っていました。 「いったいどなたですかな?」  その問いに娘は口を開いたかと思うと、ガブリとおじいさんに噛みつきました。 「いだだだだ!突然何なんじゃあ!」  娘はおじいさんに噛みついたまま答えました。 「わふぁしは昼間、あなふぁに邪魔をふぁれた罠でふ」
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