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額を重ね合ってみたり、髪に指を通して梳いたり、耳たぶをパクリと甘噛みしたり。 千鶴はそのどれもに、くすくすと小さく笑い声をこぼした。 「オレ、たくさん人肌に触って来たし、触られて来たけど」 俺の目をじっと見つめて、少しだけ哀しそうに笑う千鶴。 「皐月さんに触られると、あったかい気持ちになるよ」 最初は優しくされた事からそれを好意だと勘違いしてるんだろうと思っていた。 付き合うって形を取れば千鶴もすぐに満足して飽きるだろうって。 だけどそうじゃなかった。 千鶴との生活は穏やかで快適で、あったかかった。千鶴も同じ様に思ってくれていた。 「皐月さん、オレを抱いてよ」 そんな千鶴の願いも今の俺なら自然と受け入れられる。 好きだから、もっと繋がり合いたいと思える。凄く自然にそう感じるんだ。
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