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千鶴の手を引いて俺の部屋まで連れてきた。仕事部屋とは別の二階にある部屋だ。 シングルのベッドとテーブルと、その上に灰皿とライター。 寝るためだけのその部屋にはテレビもなくて、時計もない。携帯とタバコを持ってこの部屋に来るから、時間なんて携帯で確認出来るし時計はいらなかった。 普段、起きたらカーテンを開けておく。今も開けたままだったカーテンを静かに閉めた。 部屋の入り口で突っ立ったままの千鶴に向き返ると目の前まで歩み寄った。 千鶴は俯いたまま、顔を上げようとしなかった。 自分から誘っておいて、今更怖け気付いたのか? もしそうなら無理強いは出来ない。 出来るだけ優しく千鶴の髪に触れて反応を見る事にした。 柔らかくて明るい色の髪を指に通すと千鶴がゆっくりこっちに視線を移す。
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